天下一宗教大会


新居に引っ越してかれこれ20日ほど。

少しずつ進めた前の家の片付けもあとわずか,ネット回線もやっとつながり,ようやく新居での生活が始まった感じがしてきた。

それにしても昨日は夕方,いきなり佐川急便がきてびっくりした。

なぜかタウンページだのなんだのの電話帳を持ってきたんよね。

いつ何が届くかわかったもんじゃないぜ状態ですわ,まったく。

今後,来そうな可能性があるのはNHKの集金だな・・・

管理は悩んでいた。

皆さんご存知,管理はまったくテレビを見ない。

ってゆーかテレビ線つないでないし,そもそもうちにあるこのテレビ,ちゃんと映せるの?って感じ。

完全にゲーム専用である。むしろ最近ではスーパーストリートファイター4専用画面である。

見もしないし,多分見れないだろうからNHK料金なんて払う気はさらさらない。

しかしポストの中には,前の住人と,それまたさらに前の住人宛であろうと思われるNHKの料金の請求書がきているのですよ。

あぁ,これはきっとうちにも集金がくるな,きっと。

まぁ,NHKの運営方法がクソなのは皆さん既にご存知だと思いますからみなまで言う必要はないでしょうが,

とにかく腐った組織にビタ一文払いたくない。

利用していたら払うべきだとは思うけど,利用していないし,利用できない地域でも集金するらしいしとにかく払いたくない。

金額の問題ではないのです。1円たりとも払いたくないです。

幼少の頃はよく見ていたのになぁ。

良い番組も多いのに経営の仕方がうんこなんですよね。まぁそもそもテレビ見ないから関係ないけど。

まぁ,そんなこんなでNHKをすげー警戒していたのですよ。

来たら追い払ってやる!って意気込んでいました。

しかしこう,NHKに限らずな話なのですが,訪問販売のような類のものは,気の弱そうな人や丁寧な人には強く言えない管理。

NHKの人が傲慢な態度だったらキレて追い返すだろうけど,やんわり来られたら勢いを殺されてしまうんですよね。

そんな態度取るものだから「あー,うちは結構です^^;」なんて言っても,「押せばいける!」と勘違いしてさらに話を続ける人多数。

まぁ,「あー,うちは結構です^^;」すら昔は言えなかったからいくらかマシになったんだろうけど,キッパリことわるって大事よね。

昔さ,教材の販売のおにーちゃんにすげー押されて,買う気もないけど断れない状態で1時間くらい話してしまって結局時間の無駄になってしまったことがあったのよね。

それって相手にとっても不毛な時間であり,相手のことを思う意味でもキッパリ断るって大事だと思う。

で,まぁ,そんな理由で少しは断れるようになった管理。

そんなこんなで今日の朝のことでした。

管理の仕事は夜の仕事なので,出勤自体は遅めの昼。

終わるのがその分遅く,起きるのは大体昼の12時前後なんですね。

だからみんなが出勤や通学を始める時間ってのはまさに熟睡タイム。

ぐっすり眠っていたらインターホンが鳴りました。

「ピンポーン」

高音が脳に刺さり,不快な気持ちになりながらも目を覚ます。

NHKをずっと警戒していたので,そのときも対NHKマニュアルを頭の中でシミュレートしながらズボンを履き玄関の鍵を開けました。

そこにいたのは2人組のおばさんでした。

チェンジ,と言いたいところですがここはヘタレ管理。

「はい?」とたずねたら



「あ,あの,その,あの!」



おばさん,ここは初めてかい?力抜けよ。とか思いつつ,「なんですか?」の仕草で首をかしげて見せると

「あの,エホバの証人といいまして,その・・・」

とたどたどしく言ってきました。落ち着け。

なんだ,また宗教か。ご存知,宗教の勧誘の大嫌いな管理。

上記した「キツく当たる」か「やんわり断る」かの見極めに入ることにしました。

傲慢な態度で言ってくるヤツだったらキツく言ってやる・・・と思ったりしていました。

しかしね,この焦りまくりのおばちゃんが傲慢な態度とかとれるようにはとても思えない。

勧誘とか慣れていないのかしら?

なかなか用件を言い出さないし,すげー眠そうに何か言うの待っていたら

「あ,お休み中でしたか,すみません!」

とか言ってきたので

「はぁ,まぁ夜の仕事なもので」

と返したのですよ。ちなみにご存知ホストではない。

そしたらこのおばちゃん,さらに焦りながら言ってきました。



「あ,眠そうですね。私も眠いです!



いや,しらんがな

別に「私も眠いの我慢してるんだから話聞きなさいよ」って感じではなく,焦って話を合わせようとしたんだろうけど,

眠い宣言って。

内心,「あー,勧誘とかだりぃ,眠いのに」とか思っているんじゃないかと勘ぐってしまいます。

いやまぁ,実際たくさんの家まわるのって結構大変なのはうかがえるよね。

まぁ好きでやってるんだろうし,だからといってそれで同情とかする気もないけど。

で,結局なかなか用件を言い出さないもんだから,

「あの,興味ないんで・・・」

と,ドアを閉めようとしたら,おばちゃん焦ってさらに続ける。



「あ,あの今度その,大会があるので!」



た,大会?

これはあれか,日頃鍛えた奇跡の力を競い合ったりする大会なのか。

出場者の中にも色々個性的なキャラがいて

「見よ!神に愛されしこの肉体!ゴットマッスルクラッシュ!」

とか言い出す筋肉系信仰者とか,

「主よ,我に力を貸したまえ!ホーリーランス!」

とか聖なる気を操る金髪長髪イケメンキャラとかでてくるのか。

そんな中,大会にでるためにたった1週間の修行をこなした管理も参戦したりして,

妙にガタイの良いモヒカンと1回戦で当たり

「おいにーちゃん,ここはにーちゃんみたいな素人が勝てるような甘い大会じゃないんだよ,ヒャッハハ」

みたいにバカにされたりするのか。

だけどね,そのモヒカンを一撃で倒しダークホースとして一気に名が知れ渡ることになるわけなんだよ。

前大会4位の実力者のモヒカンをね!

で,2回戦の相手は「モヒカンが前回4位になれたのは組み合わせの運が良かったからだ」とか言う,ちょっと陰のある青年なんよ。

で,まぁ確かにそこそこの実力者ではあったのだけど,聖なる力の片鱗を見せ始めた管理にあえなく敗北。

しかもその聖なる力ってのが限られた人にしか使えないオーラだのなんだので,ギャラリーの信者も

「まさか・・・」

とか

「うそだろ?」

とかざわざわしたりしているんだよ。

で,問題の3回戦。まさかここで当たるのが師であり,管理をスカウトしたおばさんだったのですよ。

動揺して「あ,あの,その・・・」とか言っちゃってる管理に容赦なく襲いかかるおばさん。

どうなる管理!?



・・・みたいなことを考えていて,大会のことが気になって聞こうと思って

「あ,あの」って聞こうとしたら

「お休み中失礼しました。」

とすたこらさっさとおばさんは去っていきました。

大会って,なんだったんだ・・・?